(679 bytes)

 


トッカーノテトラを求めて。3回連載
 


マナウス中央市場

2003年9月25日から、1週間がかりでアマゾン河上流のネグロ川最上流のコロンビア国境地方に採集に行ってきました。そのときの様子です。
この未開地に通うこと、もう20回以上になるでしょうか。
9月25日サンパウロ空港を出発、直行でアマゾン最大の都市マナウスに向かう。

バリグ・ブラジル航空の1日2便あるマナウス直行便の夜行便の方に搭乗する。 サンパウロ20時15分離陸、マナウス到着23時35分、サンパウロとマナ マナウスの時差が1時時間なので、巡航搭乗時間は4時間余りとなる。
成田から4時間飛んだら果たしてどこまでゆけるだろうか、いつもそんなこと をが頭に浮かぶ。そのうえ更に向かう最終目的地に到達するには、そのマナウ ス空港のもう一つの小型機発着空港エドワルド・ゴメス第2空港を午前6時半 出発という小型機に搭乗して、まだもう4時間飛ばなければならない。

こんな非常識な出発時間のローカル線に間に合わせるには、マナウス空港で時 間待ちするしか仕方がない。マナウスの市街まではタクシーで30分くらいか かり,到着後ホテルにむかって午前一時にホテルにチェックインしても3時間 くらいで空港に戻らないと、この小型機の出発に間に合わない。4時半にはチ ェックアウトしなければならず、無意味な話となるので空港ロビーの長椅子で 横になる。53歳になった現在でもこんなことしている自分に疑問を感じる。 午前5時半、薄暗くなった第二空港ロビーの蛍光灯の明かりのなかを,眠い目 をこすりながら、切符を切りに事務所に向かう。あいにくの雨模様となった。


ネグロ川の9月26日の水位、水はまだ僅かしか引いていない。

雨模様のなか、いつもどうり最後部の座席を確保し、持参のデジカメを取り 出す。定刻どうり午前6時半、広いマナウス空港を30人乗りのブラジリアと いうブラジル製の小型機は300mほど滑走して飛びあがった。雫が窓を打つ。  


早朝の出発は雨模様、嵐の中の離陸となった。

一気に1000mも上がったのだろうか、窓の雨があがって真下にネグロ川を 覆う景色が広がった。大抵の場合マナウス空港が雨模様でも、離陸すると快晴 の空が広がって,ホッとさせられることが多い。逆のこともあって地方空港を 快晴で離陸しても到着のマナウスが嵐の中ということが多々あった。747と いう300人以上のれる飛行機で1回、737という120人前後の乗客機で 1回、着陸のやり直しというヒヤッとさせられる経験がこのマナウス空港であ って,一回は40分以上も低気圧の去るのを上空で待っていたということもあ った。

着陸寸前高度20m辺りで風にあおられて、突然ボア―ッとエンジン全 開で急上昇するのはあまり気持の良いものではない。失速しないかとヒヤヒヤ の連続で、このときは飛行機の重さを雰囲気とエンジン音で実感させられる。

小型機は1時間余り飛び、あまり揺れもなく最初の寄港地バルセロスに到着。 マナウス近辺のアマゾン河が今年は例年になく水位が高く、魚採りという作業 ができない状況だったが、そこから450kmあまり上流に行ったこの地の水 位も全くと言って良いほど引いていないのに驚いてしまう。

当機は20分程の間に乗客の乗り降りと貨物作業を終えて,そそくさと出発す る。次ぎは目的地のサン・ガブリエル・ダ・カッショエイラまでを一気に1時 間半で飛ぶ。こんな小さなプロペラ機を6000mの高度まで押し上げて,か なり上空を飛んでゆく。上空を飛ぶのと低空飛行では速度が変わるのだろうか。 目的地のサン・ガブリエルの町からコロンビア国境ククイの町までは、ほんの 150km,アマゾン地域でも最北端、既に北半球にまで来てしまっている。 この行程を飛行機ではなく,ネグロ川を上下している便船でやってくると、上 りが約4日,下りが3日ちかくかかってしまうような大変な話になる。


上空からネグロ川を眺めると真っ白な砂が黒い水の流れで模様を作る

その便船に「TANAKA」という船会社があって、これは田中さんファミリ ーの持ち会社でこの地では有名な定期船である。「田中1号」「田中2号」と いうように、現在では船も改造されて「田中6号,7号」がお孫サンの経営で 運行しているそうだ。筆者も一回乗った経験がある。


ブラジリアという名前の小型機の内部

結局飛行機使用は時間をお金で買うような按配で、その分飛行機代がすこぶる 高いのは仕方がないかもしれない。サンパウロ・マナウス約4000kmより マナウス・サンガブリエル1200kmのほうが100%高い運賃であるにも かかわらず、飛行機は連日満席の状態。指定した期日の席を確保しようとおも えば3―4日前に予約を入れておかねばキャンセル待ちのリストの載せられて しまうのが常で、いつもサンパウロから予約を入れて確認してからの旅となる。

この地はコロンビア国境地帯ということで、国境警備がブラジル空軍と陸軍の 管轄となって、このサンガブリエルの町に地方駐屯司令基地がある。

その整備には国力を挙げているので,飛行場も2500mクラスの成田第二滑走路くら いの規模があって、勿論舗装されていてボーイング777規模の大型ジェット でも発着できるようにここ2年程で改修されている。世界第二の経済発展国の 玄関とアマゾンの未開インデイオがうろうろしているこの地の飛行場の大きさ が同じ、というのも皮肉な話ではある。


  目的地にの目印,クリクリアリ川に沿った山脈が雲の中から見える。




目的地空港に着陸、軍用ヘリがとまっている。

ということで、民間と軍隊が同じ空港を使っているので、毎回といって良いく らい軍用機や攻撃型ヘリコプターと同じ場所で発着することとなる。前回はツ ッカーノと呼ばれる第2次大戦に使われたものと同様のプロペラ型戦闘機が飛 来していて,珍しいものが見れる体験ができた。



きくところによると国境地域の警備をするには、ジェット戦闘機であれば速度 が早過ぎてしょっちゅう越国境してしまって物議を醸すので、このプロペラ型 戦闘機が必要なのだそうだ。昨年だったかコロンビア正規空軍がゲリラとの戦 闘作戦で窮地に追い込まれてブラジル領内の空軍基地に逃げてきて、ブラジル 政府の許可のないまま離着陸を繰り返して,国際問題に発展した経緯があった。


サンパウロから約4000km彼方の目的地にようやく到着した。




軍用空港も兼ねるウアウペス国際空港に到着

この辺り、ブラジル側はのんびりしていてあまり緊迫感はないのであるが、こ の土地を船で3日、飛行機で1時間も飛べば麻薬とゲリラの横行するコロンビ アにかかり、もっとも近いコロンビア側の町[MITU]ミツーでは昨年だっ たか軍隊の駐屯地がゲリラの襲撃にあって、20人くらいが殺された、という ニュースがあった。そんな場所でのんびり熱帯魚採集しているのだからいつも



注意がひつようで、ブラジル側でも時折コロンビアとかベネズエラ(ククイの 町はブラジル,ベネズエラ,コロンビアの3国境の町である)から麻薬が持ち こまれるので、軍隊とは別に連邦警察局(FBI)が厳しい警戒をしている。


ネグロ川のブラジル最上流で、この上流からコロンビアに入る。



ネグロ川にいるネグロブラックネオンという可憐な1cmほどの魚である。

飛行機での入域はフリーであるが、出発の場合は荷物から服装検査まで徹底的 にやられるので、大変である。2003年10月16日公開 以下次回に続く。

  

  


(C) 2001-2005 - Japan Aquarium. All Rights Reserved.
写真転載禁止