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2007年9月初旬、またまたブラジル中央高原に出かけた。
今回は異常乾燥の続くアマゾン河、サンフランシスコ河源流の情景です。
サンパウロから往復3800kmの距離を、バスを使っての忙しい一人旅となった。
地球の温暖化の影響を強くうけていると思われるブラジル中央高原の、異常乾燥地帯を行く旅の報告です。

 


[1]真っ赤な土、テラロッシャと呼ばれる富裕な土地の続く地域を進む。

[1]久しぶりにブラジル中央高原に出かけた。
(写真拡大できます)
大陸の際限のない地平線を眺めながらの旅が片道1900kmに及ぶ。 穀倉地帯を越えて魚を採りに行く旅、コースは決まっているので負担のない気分ではあるが、 それでも往復56時間のバスの旅は、かなり疲れた。



[2]サンパウロから1800kmの彼方の思い出の川に到着


[2]28時間バスに揺られて、ようやく目的地の川に到着する。今回は別の方向からこの川にアタックしてみようと思う。
しかし以前に来た景色と変わっていないので、ホッとする。今年の雨季は遅れているようで、水位がかなり低くなっている。

[3] 異常乾燥でも、春は春で、ブラジル国花のイーペーがあちことで満開だ。
ブラジル国花はイーペーという樹木性の花で、和名をコガネ・ノウゼンと呼ばれる。桜の黄色版で春の初めに花だけで満開となる。言わば黄桜。日本では沖縄でも見られるそうなのだが。


[3]9月はブラジルでは春の真っ盛り、桜の替わりの国花イーペーが満開だ。

[4]それにしても今年の乾燥は異常に思える。
この地帯はブラジルでは乾燥地帯で、一を名セラードと呼ばれ、熱帯サバンナ地帯である。 近い将来、気候が変わって雨が降らなくなれば、つかの間に砂漠地帯に変わってしまいそうな雰囲気もすでにある。


[4]乾季の大地に火が入ると、こう言う状態になる。。


 [5]乾燥期のこの地方であるが、雨が降れば緑の大地になるのだが。
        

[5]ブラジル中央高原の冬(乾季)の情況
例年では9月にはいると雨が降って、その後はしっとりした緑の原野となるが 今年は例年よりかなり春(雨季の始まり)が遅れているような気がする。



[6]この時季はどこまで行ってもこの景色。

[6]乾季に乾いた草に火がはいるとこのような情況となる
この辺りは将来の穀倉地帯となりそうだが、現在の状況ではブラジルには 農業ができない経済状況になってしまっているようだ。
ブラジル全域を周っていて、最近は農業が下火になってきている感じがする。

[7]人口の増加によって川も汚染されてゆくのは仕方のないことと思う。
しかし、汚染されない前の、輝くような清流を知っている筆者には寂しい実感がある。 この川も10年ほど前は、輝くような流れに真っ赤な水草がぎっしり映えて、素晴らしい景観 だった。今は写真のように普通のどこにでもある小川になってしまった。


[7]水質汚染が原因で水草が完全消滅した川。

[8]今現在は、一応流れは澄んでいるが、少し黒く淀んだ流れと川底に緑の藻が付着している。 昔生えていた多種の水草は、水ニラが辛うじて流れに逆らって生育しているだけ、これももう暫らくしたら消滅するには確実である。


[8]10年前は清流だった川が今は普通の川になった。


[9] 日本にある菱のような小さな浮き草。

[9]川岸の淀みに、生き残っている菱の一種の原種をみつけた。
この植物も、けっこう水の汚染には強いタイプいの植物かもしれない。 川底は、植物が枯れて泥になった状況で、清流系の水草は生育不可能だろう。。


[10]赤いルドウシアが汚染珪藻に攻められて成長が止まっている。

[10]流れの中央部には、辛うじて有茎類植物のルドウシアと呼ばれている真っ赤な水草が生育しつつある。
しかし、汚染の大好きなアオコというのか、緑の藻というのか、有機物を利用して発育する汚染植物がすでにこのルドウシアを退治にかかっている。 このまま時間が経つと、赤の水草が緑の藻に負けることになる。 このルドウシアは以前、この川で2−3mの長さで、真っ赤な大株で流れにそよいでいた記憶が筆者には鮮明にある。

[11]水自体はまだまだ綺麗に見える。
しかし、この流れはすでに富タンパク質を含んでいて、このままの状態ではヘドロや泥が 溜まるだけで、以前のような流れには決して戻らないのだろう。。


  [11]水草がギッシリ繁茂していた清流も荒されて御覧のとうり。。



[12]汚染に最も強いのは水ニラと思われる。
しかし、この植物にも汚染の影が忍びよっている。 このまま汚染がつづくと、しばらくしたらこの植物もヘドロに負けて消えてしまう運命のようだ。。


  [12]水ニラが水質汚染によって増えた珪藻の中でなんとか生きている。




[13]エリオカウロンに花が咲いている。

[13]エリオカウロンSP
この写真から以後は、かなり上流部の紹介となる。川の流れの落ち着いた部分に、ボンボリのような白い花をつけた植物が 群落しているのを見つけた。小型なので顔を近づけて良く観察してみると、エリオカウロンの 一種であることが分かった。この種は水中でも水上でも両刀使いのようで、それぞれの 環境に順応していく能力をもっているようだ。




[14]流れの溜まりで生きているのはマヤカなのか。

[14]マヤカSP
流れの強い滝の際の溜まりに、細長くて奇妙な植物がはえているのを桁みつけた。 よく見ると、マヤカとおもわれる長くて先がボンボリじょうになっている。 このい植物も愛好家が多いときいているので、少量もってかえることにあする。



[15]フランシスカ
エキノドルス属と呼んでいるが、正式学名はエキノ属ではないようだ。どちらかというと オテリアの地方変種なのだろうと思う。10年以上前に初めて訪れたころや、2年ほど前には この川底にもビッシリ生えていたものが、ご覧のとうりの「生き残り」という風情の現地となって しまった。もっと上流で汚染のされていない場所を見つける必要がありそうだ。ここが駄目になって 消える前に、持って行って植えてこようか、とも思っている。 資源維持なのか、 生態破壊なのか、 どっち?


[15]貴重なフランシスカの赤バージョンがまだ少量あった。。



[16]パイクカラシン
アマゾン水系、パラナ・ラプラタ河水系、サンフランシスコ河水系、どこでもおおよそ南米全域に生息 しているパイク・シクリッドと呼ばれる魚である。この属だけで一冊本が書ける地域種(別種)が存在している。本種もそんな なかのサンフランシスコ河水系採集の一種である。


[16]パイクシクリッドもいる。




[17]コリドラスSPオンダ

[17]コリドラスSP オンダ 
昔々にマガジンを御愛読いただいていたマニアの方には御容赦頂きたいのだが、下の[19]の写真に 提示させてもらったガラニ―と呼び親しまれた魚を最初トカンチ―ニョと呼び、本種をガラニ―と していた記憶がある。[19]の魚を愛好されるマニアの方から再度の御注文を頂いたおり、その左右を取り違えて逆になって しまった経緯がある。その後、もう10年以上をそのまま[ガラニー]で通してきたので、改めて本種[17]のコリドラスを 「コロリドラスsp オンダ」と呼ばせていただき、[19]の魚を「ガラニ―」という通常名(学名ではない)で続投させていただく。 紛らわしくて誠に申し訳なにのだが、御容赦願うものである。




[18]トライーラが採れた。

[18]トライーラの原種
南米全般に生息しているトライーラのサンフランシスコ地方種と思われる。 この写真を、日本の業者さんに送ったら、トライロンではないので、二束三文なのだそうだ。 名前に明記したとうり、トラーラという魚でトライロンではない。そこを御理解いただきたい。 アマゾン支流全てに生息している、と思われる魚で各河川ごとに体型、色彩が違っていて これはこれでけっこういける魚だと思うのだが、価値観の問題のようだ。 要するに、ホーリーなのかトライロンなのか、という問題のようだ。



[19]コリドラス ガラニ―
  全身に点点模様があって、全体的に小型のコリドラスド魚である。 このゴマシオタイプはトカンチンス川、アラガイア川、マデイラ川、プルス川、タパジョス川、 というたいていのアマゾン河支流に生息しており、またサンフランシスコ河水系にも生息している。 ただ採集できる河川によってどれも若干、模様のつき具合や体型なども違っている。 本種の特徴は、採集個体全ての模様が違っている、という特徴で、存在するそれぞれの個体が 世界に一匹しかいないということを、マニアの方々が認識されている。初めてリリースしてすでに 10年以上の歳月が過ぎているが、マニアの方々には未だに根強い人気が続いている。 不思議な魚である。


 [19]ゴマシオ小型コリドラスのガラニ―


[20]ケヤリ草。
ケヤリ草とかエリオカウロンといった植物は、人間の手の届いていない地域に しか残っていない。人間が垂れ流す、汚染物質、化学物質の臭いを感じると これらの清流植物は早々に店仕舞いをして、どこかに消えてしまう。これが自然の摂理なのだろう。 最近はそんな感想でアマゾンを周っている。。


 [20]ケヤリ草も健在だった。



[21]清流には赤いシベルス。

[21]水中には真っ赤なシベルスが見える。
クリスタルガラスのような清流が残る部分には、汚染に弱い植物が 残っていた、こういう情景がいつまでみられるのかと思う。 そんな汚染の早さで時間が経過している。。 



[22]サンパウロ州27万ヘイホーキロの大半はアルコール用サトウキビ畑となった。



[22]最近サンパウロ州内は、アルコール製造用として植えられたサトウキビしか見えなくなった。
この辺りは数年前までは、トウモロコシ、大豆、オレンジ等が植えられていたが、食糧生産としての農業でなく、燃料生産を 目標とした農業に変わってしまった。農業というのは、食糧生産のはずであったのだが、最近は違うようだ。

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2007年10月20日記載完了

  

  


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