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重い腰をあげて、今回はマナウス近郊から古巣のようになったサンガブリエルへの旅です。
アマゾン上流に雨季が始まって、河川の増水が始まるまでのつかの間、水が上がって採集ができなくなるまでに、魚のストックを確保しようと思い、現地を駆け巡ってきました。
今回はマナウス近郊の各地域と、サンガブリエルでの水草アピスト採集の報告記です。

 


サンパウロは雨季の真っ最中、雨降りの夕刻、ターミナルをマナウスに向けて出発。

小雨の煙るサンパウロ・グゥアルーリョス国際空港を夜間飛行の便に搭乗。(写真拡大できます)
夜の小雨の空港でカクテルライトがターミナルに並ぶ機体を照らし、エキゾチック雰囲気を醸し出す。
窓の遥か向こうに、アメリカン航空の9.11自爆飛行機と同じ型の飛行機が輝いていた。
搭乗機は小雨をついて、重い機体をゆっくり持ち上げて、30分遅れで目的地マナウスに向け無事離陸、目的地に向かう。



翌早朝、朝もや煙るマナウス上空に到着。


サンパウロからマナウスまで、約3000kmの距離がある。 飛行機の機種によって微妙な到着時間差があるが、直行便で あればだいたい3時間半の飛行時間で到着する。
サンパウロとマナウスは時差が1時間あるから、サンパウロを 午前3時に出発して到着が6時半であるが、現地時間では5時半 ということになる。ようやく明るくなり始めた頃だ。

マナウスに到着後、空港ターミナルで休憩し、荷物をコインロッカーに預け 適当な時間になったので、市内にある住んでいる漁師で最近シッパー(輸出業)も始めた友人の家に行く。 ちょうどニャムンダというマナウスからアマゾン本流を1日下った河畔の町から300匹ばかりのデイスカすが 届いていた。その中の1枚が写真の個体で、今回はけっこう綺麗な個体が届いていた。


マナウス到着後、早速シッパーにでかける。デイスカスがいた。

今回の旅の目的は、アマゾン河がそろそろ雨季に入って極端な水位の上昇になるまでになんとか 魚をサンパウロに送っておきたい、という今期最後の採集旅行である。
そして最近気になっているマナウス近郊のアピストグラマの本格的調査もかねている。
まずは、マナウスを拠点にネグロ河を少し上流に行った、アナビーリャ諸島という川のなかに できた島々が多い部分に出かける。


今回はマナウス近郊採集も目的。ネグロ川付近を探索する。


 下流域でパウキスカミスを採集、まずはほっとする。珍種デイプロタエニアも採集できた。
        

この地域ではアピストの代表種であって、未だに大量採集の難しいデイプロタエニア、パウキスカミス アガシジ、ゲフィラ、ペルテンシスなどが採集でき、カンデイデイも採集できる。少量ではあるが 運がよければビタエニの美麗種がネグロ川を少し上流にまで上がっているので、採集できる可能性もある。


その後、アマゾン本流を横切ってビタエニを採集に出かける。

早々にアナビーリャからとって帰って、次にマナウスから黄色い濁流を流すアマゾン本流を横切り 対岸のマナキリ、カレイロ方面にビタエニを探しにでかける。ビタエニを筆頭としたいわゆる低身系の アピストは黄色い濁流には生息せず、ブラックウオーターのながれる川や池に生息していることを確信 しているので、どうしても黒い水をさがさなければならないわけだ。

雨季に完全に水の没する場所でも、そこが乾季には小川になっているところが多い。マナウス近郊では 雨季と乾季の水位の差が15m位と考えている。
写真のこの付近の地形も平坦な場所が多いので、それだけ広範囲な地域が年間の半分は水没することになる。 ここもあと2ヶ月もしたら、地域全部が水の世界になっている。毎年この繰り返し、というのがアマゾン盆地なのです。


ビタエニ採集現場の情景、アガシジ、レガニ系、カンデイデイ等もいっしょに採れる。

湖が干上がって、そこに流れ込むイガラッぺ(小川)の幅が1m、流れている水はチョロチョロのこの 涌き水の中に生き残っていたビタエニアータ。ここではアガシジ、レガニ、カンデイデイ等が採集できた。 毎年一回のみの採集になるが、確実にここではビタエニが採集できる。


採集現場でのアピストグラマ・ビタエニアータ。


マナウス近郊で数日、アピストの探索に必死であたる。その後小型機でネグロ川上流に上る。

マナウス近郊で数日あちこち走り回って、かなりの採集ができた。まだまだ満足できないので、その魚たちをシッパーの友人に預けて 次の目的地サンガブリエルに向かうことにする。飛行機は週に3便、早朝の6時半離陸ということなので、その1時間前にはチェックイン が必要だ、だから5時半には空港集合となる。こんな非常識な時間集合となるとホテルからでてくるというのは無理なので、マナウスの 大きい方の空港ターミナルに深夜にやってきて夜明かしすることになる。サンガブリエルに行く場合はいつものことなので慣れてしまったが、 でもけっこうしんどい。この日の早朝もまた雨模様であった。


久しぶりのサンガブリエル・カショエイラに到着。

搭乗機はバルセロスを経由して3時間半ほどでネグロ川上流で最も大きな町サンガブリエル・カショエイラ空港 荷に到着した。ネグロ川上流域のコロンビア、ベネズエラ国境地帯を管理防衛する拠点となった町なので 陸軍、空軍の要衝となる地方本部があるため、空港は2500mという大型旅客機でも離着陸できる広さがある。 成田の第二滑走路と同じ大きさの空港が、こんなアマゾンの山奥に建設されているわけだ。

このサンガブリエルには1994年ころからだから、すでに40回以上訪問している計算になる。 毎回が仕事でやってきているため、気持ちが周囲に向かないのだが、そろそろ落ち着いて町を観察 しても良いかな、と考え到着が日曜だったので、市民の娯楽場としての川岸に出てみた。普段はいつも 舟からの眺めなので、ちょっと風情が違っているようだ。
家族そろっておにぎり弁当で遊びにきてみたい、と思える景色が広がっていた。なにしろ広くて明るい景色だ。


  サンガブリエルの滝の上側、ここからコロンビアへ行く便船がでる。



川沿いの喧騒を逃れて、ホテルへの帰途についたが町までの30分ほどのブラブラ歩きの 途中、ちょうど蘭の開花の季節なのだろう、この地方特産の野生蘭が民家の軒先で 満開になっていた。蘭愛好家には垂涎の種類もあるのだろうが、私にはただきれいな原種蘭 という感じ。


  雨季の始まりは蘭の開花でもある。ネグロ川に咲く原種。




今回の旅では、コロンビアに通ずる国道を攻めてみることにする。

翌日はホテルのオーナーにたのんで、コロンビア国境方面に通じる道をバイクで案内してもらうことにした。 この方面がアドルフォイというコリドラスの発見された川があって17年ほど前のコリドラスブームの火付け 役になった記念すべき採集場所がある。アドルフォイの後、この地方から新種のパレードとなった。





pH4程度の強酸性河川にトニナの群落が綺麗だ。

国道に交差するようにいくつものイガラッぺを通過する。毎回バイクを止めて川の様子を観察してまわる。 水質がどこでも強酸性なので、なかなか水草も育たないのだろう。トニナと思われる群落がけっこう繁茂している。 採集してサンパウロに持ち帰るが、気候、水質、土質が合わないのだろう、だんだん小さくなっていって 1ヶ月くらいで消失してしまうのが常である。とても難しい草のように思える。



アドルフォイというコリドラスが記載された場所がこの辺である。このサンガブリエルに来る ようになって、アマゾンの魚の分布の不思議がいっそう思われるようになったのだが、同じ河川 に注ぐ小川の魚がぜんぜん違うことである。小川といってもせいぜい数Kmから恐らく数百mという 川でも、まるで魚が違っていることである。たとえばエリザベサエであるが、この魚はサンガブリエルの 滝の上にはいるが、滝の下にはまったく生息していない、ということがはっきりと言える。 滝によって種が完全に遮断されているようである。


もう20年以上も前にこの川からアドルフォいという肩口の赤い全肌色のコリドラスが発見記載されて話題になった。



話が専門的になってしまったようだ。元にもどして、アドルフォイの川で何か別の魚がいあないか、と 網を使ってみたら、みたことのないカラシンが大量に入ってきた。カラシンはとても弱い魚(イワシの仲間) なので、たくさん袋に詰めるとすぐに酸欠で昇天してしまうので、10匹だけ1袋に収容して大事にして サンパウロに持ち帰ってきた。写真の魚がそれである。あまり特徴のない魚であるが、恐らくまだどこにも 出回ってはいないだろうと思う。


そのアドルフォイ川で未知のカラシンが採れた、いったい何だろう。




そんなアドルフォイ川にインデイオの母娘が洗濯と水浴にきた。ミリチー一族のインデイオだと言っていた。

そんな川のワンドのような場所に、インデイオさんの奥さんがばあちゃんを連れて水汲みと水浴にやってきた。 デサナ一一族の出身だというのでトゥッカーノ語を話すようだ。魚を採るのに水を濁らせてしまったのだが 「そんなこと かまわない すぐに綺麗になるから」と言って笑っている。 写真を拡大していただければ、おばサンの前の淀みに落ち葉が




サンガブリエルとククイという国境の町を繋ぐ、これでも国道だそうだ。

バイクで連れていってくれた宿泊ホテルのオーナー、この土道がコロンビア国境の町ククイにつながる。 あと120kmほどだそうだ。このオーナーがこの道を通るバス会社の社長です。、



とうとう赤道が通過している場所まできてしまった。ここでは赤道でなく白道であった。 白の線が、これが赤道なのだそうだ。アマゾンでは赤道に真っ白線が通っている。 以前「赤道を通過するとそこに赤い線が入っているよ」というホラ話をしたことがあるのだが、それは白かった。。


 赤道がここを通っている。白い線が赤道の線でが、ここでは白道になっていた。


日本の約23倍の面積のブラジルであるが、その最高峰のあるピッコデネブリー山がこの先にある。 この立て札がその山のある国立公園の始まりを示している。


 赤道を越えて北半球に入ると間もなくピッコ・デ・ネブリーナ国立公園に入る。



国道の旅を半日で終えて、サンガブリエルに戻る。

翌日から、こんどはネグロ川を遡ってのエリザベサエを中心にしたアピストをねらう旅となる。 この景色はサンガブリエルの滝そのものである。ここを今から155年前に英国のウォーレスという おっさんが魚採りにきているのだ。 



マナウスのアマゾン本流対岸を100kmにある湖で採集したアピストグラマ属ビタエニアータ種の勇姿。



今回マナウス近郊で採集したデイプロタエニア、ビタエニアータ、パウキスカミス、ゲフィラ、カンデイデイ、 サンガブリエル地方の各イガラッぺで採集しているエリザベサエ、ブレービス、メンデシー等が筆者の ストックに入っています。

ご希望がありましたら、私の魚を扱っていただいているショップさんか、直接私宛ご連絡ください。

2006年5月10日記載完了

  

  


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