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ブラジル中央高原、なかでも今回は緯度の高いアマゾン河に近い地方、トカンチンス州やピアウイ州がどんな環境で、何がいるのかと思って期待に胸膨らませ、出発しました。
 


トカンチンス州は最近ゴヤス州が2分されて新しくできたブラジルの新州である。。

35年ほど前、まだ私が学生時代に1年間ブラジルに実習にきた経験があります。このとき今回のトカンチンス州を約40時間ほどかけて縦断旅行した思い出があります。それ時以来の旅になりました。(写真拡大できます)
当時通った道路は全く舗装されておらず、砂漠の中を旅するようで、非常に過酷な旅だったのです。
勿論当時はトカンチンス州という州は存在せず、ゴヤス州の北部でした。



アマゾン河支流のトカンチンス川、アマゾンの大支流としては一番東に位置する。

トカンチンス川はアマゾンの大西洋河口の町ベレンから直接南に展開しており、有名なツクルイダムの上流に町,マラバ市の前方で,アラグアイア川とトカンチンス川に分かれます。
アラグアイア川は真っ直ぐ南下してゴヤス州とミナス州まで到達していますが、トカンチンス川はおおよそトカンチンス州全域でその川域の全てを終えているようです。 。

今回初めて本流に到達できたのですが、地形的にはなかなか込み入った川でした。。
この川もシングー川と同じように透き通ったクリスタルの水を流す川でした。水清ければ魚住まず、という諺とうり 本流では縦じま模様の淡水フグが見えるくらいのもので、とりたてて綺麗な特徴てきな魚はいないようです。。


そのトカンチンス河の一支流に採集に入る。

雨季には水位が13mも上がる、という川が干上がった現在、魚の採集には絶好なのですが、肝心の魚がいなければ採れないです。 水面を見て諦めていたのです。ところがです。何気なく歩いていると潅木の生えた浅瀬で、何かコチョコチョ泳いでいます。
こいつがコリドラスの稚魚だったのです。狂喜したのは勿論です。。


乾季で水位がかなり下がっている、雨季には水位が13mも高くなるそうだ。


何だろうー ムムム!!!
その水位の下がった川で幸運にも採集できたコリドラス。

こいつは何物だろうか? 凝視すること数分。
コリドラス本にトカンチーノという以前私がこの川の上流部で採集して命名した魚と同名の魚をどこかの本で 見ていた記憶があって、私の採集した上流の分水嶺のような場所と、今回の本流近くの支流で採集した魚がおなじような映像だった記憶があります。


トカンチーノ・コリドラスとでもいうのか、数年前にどこかの書物で見た覚えが。。

今回採集できた個体群に形態的に非常に似ているのが、チエテコリドラスというサンパウロ近郊で極わずかに 採集できる種類があるが、近々採集してきて比較検討してみようと思うが、どうも少し違うような気もしている。

そのチエテコリドラスとは別に、数年まえに筆者が、このトカンチンス川の最上流と思われる支流で おなじようなコリドラスを2種類採集して、一方をトカンチーノ、もう一方をガラニーと命名して発表しているが、 当初の説明の不足から名前が逆になってしまい、本来トカンチーのと命名した個体がガラニーと呼ばれる ようになって現在に至っている。前回採集したマクリフェールとアラガイアエンシスの違いと酷似しているが、 このような現象があって混乱していることも事実、今回のとカンチーニョにもガラニーに似ているところから、 そこら辺りを整理してゆく必要を感じている、そんなことを考えながら30匹ほど採集してこの川を去った。。


川底に潅木が生えたこの部分に小型サイズが群れていた。

コリドラス採集の川を後に、ブラジル中央高原の砂漠丘陵地帯に入った。この乾燥地帯を流れてトカンチンス川 に流れ込む小川を求めて、真っ直ぐ東に向かって進路をとる路線のバスに乗りこんだ。この道が35年前には舗装のされて いない土道であったため、暑さと砂埃で往生させられた記憶がある。幸い今回は道路が完全に舗装されていたので 時速80km前後でぶっとばすので、以前は30時間以上かかった距離が、7時間で通過できるそうだ。


トカンチーノ採集河川を後に,山岳部に入ってゆく。


今を遡る35年前にこの景色と遭遇して感動、以来この山のイメージが心に残っていた。

両側はグランド・キャニオンを感じさせるような壮大な景色。恐らく何億年前にはこの辺りも海の底 だったのかもしれない、という景観である。 この地方は、異常な乾燥地帯であるが、この乾燥にもかかわらず、蘭のカトレアの原産地である。ワルケリアーナ とかノビリオールというブラジルが原産地で、マニア垂涎の珍種カトレアが自生している場所でもある。 いつの日かそれらの観察にも、ゆっくり来てみたい土地でもある。


バスはこんな景色の中を時速80kmで合計7時間も走りつづけた。

トカンチンス州という新しい州は感覚的には、全てが山の中、ということが言えるかもしれない。 日本でたとえるなら長野県とか山梨県という雰囲気である。しかし熱帯地域から亜熱帯の気候的なもので 日本のように落着いた雰囲気ではなく、けっこう殺伐と感じられるのは仕方がないのかもしれない。

7時間余りの山岳地域の旅を終えて、突然地平線の見えるまっ平らな道路に入った。同時に州の名前も ピアウイ州に入った。そこをひたすら走り抜ける。こんな景色をまた合計7時間も走ってバイーア州を抜け てまたゴヤス州に戻る。途中で何箇所か採集を試みる。地平線、見えるかぎり360度の平原大陸をゆっくり駈け抜ける。


  突然地平線の見える景色に入ったら州が変わっていた。



広大な作物平原を通過していると、ときおりまだ開墾されていない部分が残されている。 牧場に利用されている部分が多いのだが、そんな未開墾の部分に流れる川が、これがクリスタルの水を流していて、感動してしまう。 付近には野生の花が咲き誇っていたりして。


  ピアウイの地平線を走ること4時間、砂漠を流れるオアシス川に遭遇。。




昨年訪れた川とかなり近いのか、多分同じ水系なのだろう、同じような水草が咲いていました。

昨年撮影したフランシスカの赤葉タイプの花らしい。エキノドルスの花そのものだが真っ白、少し違うようだ。 南マットグロッソ、ミナスジェライス、ゴヤス、バイーア、トカンチンス、ピアウイ州各地にはエキノ類と それによく似たオテリアの仲間が混ざって自生しているようで、判別がなかなか難しい。 生育している場所によって葉の形が順応してゆくようで、流れの速い部分では細い葉をつけ、緩い部分では 葉が丸くなっているようだ。




クリスタルのように輝く水に真っ赤な水草が流れに舞っていました。。

直射日光を遮断するものがない乾燥地域であるが、そこを流れる水の水温はとても冷たい。恐らく水源地とは あまり離れていないのだろう。びっくりする透明感と水温が低いので、そこに生える水草が絵のように感じられる。 写真は赤い葉がフランシスカで、緑の葉は水ニラの一種ではないか、と思う。



この川ではスタープランツと呼ばれるエリオカウロンのSP種が3種ほど確認できて、一種類は川底までびっしり 群落が覆ってしまっていた。このエリオカウロンも水槽生育がなかなか難しいようで、かなりの条件を満たして やらなければ、短時間で溶けてなくなってしまうようだ。いつのまにか消えていることが多い難易種である。


岸辺にはエリオカウロンらしいスタープランツの花がボンボリのように咲いていました。



条件がととのえば、右の写真のように短期間で地面を覆っていまうほどに生育するが、 条件がそろわないと、あっというまに消えてしまうのが水生植物の特徴かもしれない。  この流れはフランシスカとエリオカウロンによって覆われてしまっていた。


流れにビッシリと生えた赤い水草、持ちかえっても大丈夫かな、と思う。




近くにもっと大きな別河川を見つける、何もないようだったが?。

左の写真、フランシスカの自生河川から120kmほどはなれた別河川にきている。 こちらは写真のように一見何も生えていないようなのだが、これがさにあらず、で河川の中からでている 潅木林の根元には、びっくりするほどのいろいろの水草のオンパレードであった。 採集をしていていつも感じるのであるが、しっかり注意して見ていないと見落とすものが沢山あって、これがけっこう 人生の機微ににているように思う。




岸辺のワンドの雑草の中に、しっかり緑のフランシスカらしき個体群が隠れていました。

上の写真の潅木の根元に自生していたフランシスカの緑バージョンのようなサラダになりそうなみずみずしい個体群。 このくにではエキノドルスの薬効で薬草としてかんがえられているが、食べてみたいような水草だ。 探せば大量にとれそうだが、バスできているので10本ほど採集している。



この川の潅木と潅木の間の湿地にはいろいろ面白そうな湿地植物が自生している。 こういう場合は根が深くて難儀させられる。ここでは幸い土が柔らかくて根もふかくなかったので 簡単に採集できた。ファームに植えて果たして生育するかどうか、たのしみであり、植えた後は頭痛の種でもある。


 岸辺のぬかるみの中には先日ミナスの河川で採集したものと同じような有茎植物がありました。


川の橋げたの下に、みたことのない草が生えているのを発見した。形態から有茎類であることがわかるが 水草に精通していないので、?印のつく一品である。ランナーというのか生殖枝を伸ばして生命力が 旺盛のようだ。


 反対川の岸辺には、これも初めての有茎を発見。



解らない水草を発見して、頭がグチャグチャしているが、何しろ採集する。

早速流れに入って採集してみたら、写真のような光景になった。 魚もそうであるが、まったく見たことの無い種類にせっすると、どう表現したらよいのか。 文学的表現がへたなので、!@?!?ビールスマークが心にながれている。種がわからないのであまり クヨクヨしても始まらないので、袋に収容して一応のピリオド。



別の岸辺近くの溜まりを観察するとマヤカのような植物がぎっしりと生えていた。

こんどは橋の上流部を流れに沿って上がってゆくと、水際の淀みに写真のような水草が現れた。
えーっと! トニナ?いやマヤカ? やっぱりマヤカの類だろう、と思って写真にうつしたのがこの写真。
とっても忙しい川になってしまったが、嬉しい気分。


マヤカらしい草を袋に詰めて、少し上流に行って、流れのはやい潅木の茂みの底まで手をのばしたら こんどはゴワゴワしたタワシの感触がしたので、ムムムム・・・!引き抜いてみた。これがスタープランツのエリオカウロン であった、水面上には緑の何かわからないものにうつっていたのがスタープランツだったのだ。そこへんを手で探ってみたら これはもうスタープランツの絨毯であった。また また また感動している自分、もうルンルン。


マヤカの近くの急流を観察していたらスタープランツが見えた。この川は何なんだ、と思う。


そのスタープランツ群落を手で触っていたら、偶然またフランシスカのような葉が手に当たった。 この葉型も違っている、このまえアラガイア川で見つけたオテリアの葉の長い個体に似ている。 大変な川を見つけたように思う。水草趣味の人間にはお宝の山のような川であった。


最初は何も発見できず、腐っていたのですが水に入ってゆっくり観察していると20種近い水草のオンパレードで、幸せの絶頂を感じています。



ぶらじる中央高原の景色、本来はこのような大地で農業をしていたかもしれません。

採集を終えて帰途につく。ブラジル中央高原にいつも浮かんでいる雲、雲君がのーんびりと空で楽しんでいるようだ。 いつまでも、汚染されないでクリスタルの光景が続いてくれればありがたいなー、と思ってしまう。



水草の贈り物をくれた幻想的な中央高原の神秘的な景色です。一度この景色を皆様に直接見ていただきたいですね。

ブラジル高原中央部分に空の色より蒼い湖がある、という事実。こんな自然がいつまでもある 地域の汚染されていない自然がいつまでもあり続けて欲しい、と思いながら現地に別れを告げて 帰途についたところである。。                 2005年8月22日記述完了。

  

  


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