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3年ぶりにアマゾンの最奥地ジュルア川にジュルア・エメラルドと呼ばれるアピストグラマの宝石のような魚を採集に入りました。
 


緑の絨毯の中を大蛇がウネリながら走って行くようなジュルア川の蛇行。一面の緑は地平線の端まで続いている。

アマゾンの乱開発が叫ばれている現在、辛うじて人間の手から逃れているのが、このアクレ州とアマゾナス州。しかしそんなつかの間の時間にも、どんどん道が開かれて自然破壊が進んでいきます。(写真拡大できます)
小型飛行機の窓から眺める一面緑のジャングルもいつまで残ってるのだろうか。 この景色がいつまでも眺められる時代が続いてほしいと思う。そんな感慨に浸りながら、眼下に広がる一面の緑の世界を眺めていた。
久しぶりのジュルア川にわくわくしている自分に気がついて、こんな気持ちになれるのも久しぶりだなー、という気持ちになってきた。



ジュルア川はペルーまで遡り、アンデス山脈の麓までなだらかな流れが続いている。

ジュルア川はマナウスを遡ること定期船で3日、綺麗なデイスカスのとれるテフェからでも2日の船旅になる所から上流にアマゾン支流として分離、ペルー領域に向かって蛇行する支流となる。
恐らく現在に残る秘境の地としては一級の場所ではないだろうか。そんなアマゾンジャングルが延々と続いている。

3年前にジュルア・エメラルドを最初に発見した景色である。その景色が全く変わることなく時間が流れていたことが嬉しかった。
ジュルア川は川の底の土質が粘土質なのか、森林を流れ出す水は白濁しているが、場所によってはブラックウオーターの川もあって、このジュルアエメラルドという魚はそんな黒い水の川に生息しているようだ。


こんな流れにアピストが隠れている。目的地の小川を前にして、心がドキドキするのが楽しい。

この水位まできても、まだ水位は下がりつづける。最も乾燥する9月10月にはこの川が小川の如き流れとなっている。そのころにはこんどは水不足がはじまり、けっこうきつい生活となる。 日本では寒さと暑さに住人が悩ませられて1年が過ぎるが、この地では大水に悩まされ、乾燥にも悩ませられるサイクルで一年が推移しているようだ。


乾季のジュルア川、雨季にはこの景色が濁流の大蛇のごとく暴れまわるという。


この魚がジュルア・エメラルドです。

3年の時間経過で、この土地に流入してきている人たちは大変な増加で、アマゾンの町も段段近代化してゆくようで、良いのやら悪いのやら、ホテルは冷房、テレビ、冷蔵庫が完備して清潔で、これがアマゾンなのかという旅でもあった。


ジュルエンシスとの差は体側にパール模様がでて、尻鰭の模様が違っている。。

左の2枚の水槽写真が、今回採集の目標であるジュルア・エメラルドというアピストグラマである。この地方の特産とされるジュルエンシスという種類も あって紛らわしくなっているが、ジュルエンシスタイプは体側にパール模様が現れず、体型もどちらかというとズングリタイプです。そしてもっとも顕著な 特徴は尾びれ尾鰭の模様が明らかに違っているようだ。その3点で判別できると考えている。

ジュルアエメラルドの生息環境です。水深のある部分には大きな魚が生息しているようで アピストのような小型種は、この環境では川の縁の落ち葉の堆積している部分とか小さな 流れがある部分のおなじく堆積物のある中で生息しているようです。


アマゾンの景色には、思わず見とれるような自然の力があるようです。

無心になってアピストを採集していたら、上流の方から突然1艘のカヌーがやってきて、おじさんが不思議 そうに「何してるんだ」というので、「小魚をとっているんだ」というと、自慢そうに自分の獲物の入った 袋を見せてくれた。一緒にいかないか、というので丁重にお断りして、その場から離れた。


突然川の上流から釣りおじさんが現れました。


採集現場でのジュルアエメラルド、光線の具合で色彩が変わるようです。

採集直後のジュルアエメラルドです。現地では赤い色彩が発色しているが、サンパウロに持ち帰って 水槽にはなしてやると数日でこの赤さが消えてしまうことがある。水質に順応するとまた発色してくるのだが。 しかし導電率が高い水の場合は、赤が戻り発色しない場合もあって、飼育水にかんしてはこの点に 注意する必要があるようだ。


ジュルエンシスの生息池、こんな池に沢山いました。

ジャングルの中に残された雨季のなごりの池の全景、この池もあと1−2ヶ月で干上がってしまうだろう。 この水位の状態は一週間程度しかなく、あっという間に水が減っていき、残っていた魚たちもすべて土に帰って ゆく。

ジュルアエメラルドの♀個体です。♀個体は黄色く染まるといわれるが、黄色い♂もいる場合があって難しい のがアピストグラマです。フナの類や卵胎生めだかなどで環境や栄養状態による性変換が確認されるが、 このアピストでも性転換が起こるのではないか、という観察がされている。


  乾季の始まるこの時期でも♀眞黄色です。



ジュルアエメラルドの採集場所を離れて、こんどはジュルエンシスという種類の生息場所に移動する。 3年前にきたときに、この辺りの水のある場所をけっこうくまなく探してまわったので、おおよそその 採集場所はわかっている。


  ジュルエンシスの住む水か溜まりで記念撮影。




雨季の増水から残った水溜り。ここには沢山の魚がいる。

この場所は3年前にきたおりはもっと水があって、ぬかるみに往生した場所だったが、今回は考えていたよりも乾燥 が早く、洗濯場になっている部分だけに水があり、やはり生活用水なので、そこに入ってジャブジャブやれない。、 しかし、こんな小さな水溜りにジュルエンシスがウヨウヨいるのが判っているのが悔しい。




こちらはジャングルの中に残されたプールです。ここも完全に干上がるでしょう。

ここの住人の娘なのだろう、10歳くらいの女の子が池にやってきて、変な日本人が何を始めるのだろう という目で見ている。 しばらくして、その子が「おじちゃん 道の反対側に川があるよ そこに小魚が沢山いるよ」と教えてくれた。 そちらに河岸を変えようかと移動したのが、左の写真の場所。 この水溜りが、私には大変貴重な池となった。



女の子の言うとうり、高台の道路からジャングルの中に水溜りを発見して、焼けるような直射日光をあび ながら、何気なく降りた池は、ここも乾季には干上がってしまう環境のようで、なにしろジャングルの中なので 期待はしていなかったのだが、写真の青年の足元には綺麗な草が生えていた。  これが今回のもう一つの目的として探し求めていたエキノドルスだ、ということに気がついた。


青年がしゃがんでいる下に草が見えます。



この水溜りにも、写真のように真正ジュルエンシスが生息していた。採集場所がジャングルの中ということで日陰の魚は色彩が暗くなる ようだ。採集した時刻が午前中、ということもあってまだ魚が活発な状況にはないようだ。  しかし、尾鰭の赤はしっかり表現されてる。


ジャングルの中で採集したユルエンシス君。




ジャングルの日陰で生息しているので色彩が暗い。

ジュルエンシスの特徴であるボデイーの3本ラインが見える。干上がりかけた池ではなんとか生き残ろうと必死で、大魚や水鳥から逃げ まわっているので、色彩もできるだけ周囲の色に溶け込もうとしているようだ。 状態と環境を良くしてやると見違えるような色彩に仕上がる。




雨季には一面が水で覆われていたが、乾季には干上がる。

アマゾンの乾季はどこでもこのような干上がる池がみられ、その中に取り残された魚や、時には ワニまでもがこのような干上がった池で居残っていたりする。魚は死滅の道をたどるがワニなんかは 夜陰に乗じて場所を変えるのだという。 このような状態の池が干上がる寸前が、魚の大量採集につながるが、そんな幸運はめったに巡り合えない。



右の写真ジュルエンシスも乾季の経過とともに、アマゾンジャングルの土に戻って土地の栄養分になるはずの 魚だったことは確実で、池が干上がればそこの魚たちも死滅してしまう。 この魚を採集してやったおかげで、この魚の寿命が延びたのだ、といえるかもしれないが、そんな理屈は 筆者ぼの勝手な理屈なのかもしない。


 ジャングル内の池で採集したジュルエンシスの素顔の状態。


アマゾンの悲しい現実なのだが、雨季に増水した水は、辺り一面を湖に変えてしまう。その一面の水中で魚が繁殖し魚の天国 になるが、天国の後には地獄が待っている。乾季の始まりとともに、一面の湖は低い部分に池となり始め、やがてその 池も乾燥とともに干上がって、そこに繁殖生育していた魚はすべてが土に帰ってゆく。何千何万という数の魚が。


 雨季の池が乾季で干上がって生息していた多数の生物は死滅したようだ。



ジャングルの中の池に生育していたエキノドルスを発見。記念撮影

乾季が始まって、少しづつ水が引き始め、水中葉が空中に露出するとエキノドルスは水上葉を用意するのだろう。 まだ水中葉が健在なうちから水上葉もでてきて、一本のエキノが別の顔を見せてくれる。 水上葉も極度の乾燥には耐えられないようで、やがてすべて葉を落としてしまうが、土中に残った地下茎から雨季が始まるとまた生育を始めるのだ。



水中葉と水上葉がちょうど交差する季節なのだろう。

今が雨季から乾季への交差点といえる季節。 このエキノドルスという植物は水中植物なのか地上植物なのか、不思議な生命体のようだ。そこがマニアをひきつけているポイントのようにも考えている。


ジュルアジャングルの中で採集したエキノドルスは色彩的には深緑系で、水中葉のほうが水上葉よりも硬かった。 こんな偶然というのか、奇跡のような対面もあって、アマゾンの不思議がいよいよ深くなってきた。 この草をジュルア・トルマリンという名前にしようか、と考えている。


アマゾン水系最奥地のエキノドルス、名前はジュルアトルマリンではどうだろうか。。


何年に一度かこんな大きなバッタが大発生して、季節風にのってブラジル奥地を移動し、作物に大被害を あたえる。そんな大昆虫の一端です。何事もブラジルでは大きいのだが、バッタまでがこんなに大きくなるのだろう。


20cmもあるバッタ、これが年によっては異常発生することもあるそうだ。



こんな魚もこの川にはいる、ジュルアパボンゼブラとでもいうのだろうか。

道端で漁師が売っていたジュルア川で取ってきたゼブラ系のナマズ、ゼブラ・パボンとでもいうのか、 日本で一時はこれ一匹で新車の乗用者が買える値段がついていた時代もあった。現在ではその熱も冷めたようだ。 しかし現地では、こんな綺麗なナマズも減ってしまっていて、いずれは見ることもできなくなりそうだ。



アマゾンの夕日は相変わらず素晴らしい、たった5分程の自然からの贈り物。

ジュルア川にかかる夕日も素晴らしい。気がついたら西の空が真っ赤に染りはじめて、見とれていたら たった5分程でこの景色も暗闇に包まれて、日が暮れた。そんな今回のジュルア川だった。                 2005年7月7日(七夕)記述完了。

  

  


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