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2004年度最初の旅行は,真冬のブラジル中央高原にでかけました。2004年7月7日から12日までの5日間の旅でした。
 


ブラジル中央高原に流れる川は、人間が開発の手を入れなければクリスタルの水がながれている。

昨年(2003年)末にマニアの方からメールが届いて,  コリドラスのガラニ―を飼ってみたいというご希望で昨年に続いてまた出かける予定をたてていました。(写真クリックで拡大できます)
今年の初めには出発する予定でいたのですが、ちょっと問題がありました。年間を通じて行ける時期に制限のあるアピストグラマがちょうどこの時期と重なっていたのです。
そうしているうちに、ガラニ―の棲息地域に「大雨が降って洪水だ」というニュースが流れて現地訪問どころの話で無くなってしまった。

4月に入ってようやく訪問可能という状態になったのですが、こんどは以前から 気になっているサンタカタリ―ナ地方が寒くなってきて「5月にはいると霜が降 りるから、来るなら早く来たら」という連絡が入ったのです。霜が降りてのエキ ノドルスも大変だろうし、第一寒さで草が枯れてしまって、消えてしまうか もしれない、という心配もありました。という理由から中央高原をちょっと 後にしてもらって、そちらのサンタカタリーナを優先したのが4月のパラナ,サン タカタリ―ナ旅行となりました。その南部水草観察旅行から帰ってきて、強行軍が応 えたのか、1ヶ月程寝込んでしまったのです。寝込んだといっても眠たかったから ではなく、風邪をこじらせて持病の中耳炎がでてきての病院通いです。


クリスタルの川底に生える真っ赤なオテリアを田植えのごとく見て回る。


クリスタルの川にエリオカウロンという星のような形の草が生えている。

漸く長距離旅行ができるように回復したのは7月の声を聞いた頃になっていました。 しかし、ブラジル中央高原の旅行となると、最終目的地を含めての総走行距離が 5000kmを超える旅になることが予想されるので、なかなか出発の意思が決 まらないわけです。飛行機でゆくか、バスで近くまで行ってレンタカーを借りる かタクシーを頼むか、それとも車で走破するか、の3方法が考えられるわけです。 いろいろ思い悩んだ結果、最終的には車での出発と決めました。

該当現場は、上の写真に示すとうり,透明なクリスタルに輝く水が流れる清流なの です。初めてこの川にきた約10年前より,今回は若干水が濁っている感じがします。 10年の時間の経過があれば仕方が無いことなのかもしれないのですが、それでもや はりいつまでも綺麗な川で、綺麗な魚や水草が生息していてくれることを願ってい ます。気温は摂氏35℃を越しているはずですが、水温はなぜか冷たく長靴を脱い で入れば、こごえそうな感じがしました。 この川の位置は、たとえると東京大阪間560kmと言いいますが、その総距離と 同じくらいの広さの平原の中にあって、いやになりそうなくらいの波状丘陵地が続 く。その面積全てが農地にできるような地平線の続く景色、そんな所を延々と何時 間も走り過ぎてきて、その後にようやく目的地の川が突然あらわれる、という環 境にあります。川幅は10m程なので、注意していなければ車窓に瞬時に見逃して しまう、そんな川なのです。


そのエリオカウロンの群生しているようす。


    川に入って、何も言わない水草見つめて「ワクワクしている」のは筆者の異常体質なのか。

こんな川ですから橋でもあれば、しっかり注意しているのですが、写真のよう に大きな土管を水抜きに使っているような小さな川ばかり。小さな川を探すだ けでかなりの注意力を必要とします。また魚も水草も、直射日光が当たると、 10分もすると魚は参ってしまうし、水草は煮えて溶けてしまい、そちらへの気 配りもしっかりしておく必要があります。水草は根を大切にしておか なければなりません。この辺りではたいていの水草が有茎類と言う地下茎をも っているものです。今回の旅は,水草探索も目的の半分を担っているのですが、 今回新たに加わった水草は、昔からいわれているような水の中で生育する系統 以外に、湿地帯に生えている水生植物と呼ばれるものです。水の外の空気のあ る空間ででも生育できる種類の水草が多いような気がします。

具体的には。以前から知っていたトニナとかケヤリ草と呼ばれている種類、上 から見ると星型をした植物がそれです。その上に今回はエリオカウロンという 学名をもつ同じような形態の水草もリクエストに加わりました。いつの間にか、 知らないうちに水草の世界が変わってしまっているようです。いよいよ趣味の 世界もひろがっている、そんな事実に驚いている昨今ではあります。人間の欲 望というのは際限がない、それ以上にそれに対応する自然の奥深さにも驚かさ れるこの頃です。クリスタルの川で、流葉が堆積してドロ底になった部分に生 えるカヤのような植物群落のなかに、星のような形をした水草を発見しました。 それが上の写真のエリオカウロンです。ブラジルには樹木に寄生するようなか っこうで生育しているチランドウシャ(風媒花)という植物がありますが、そ れが水に生えたよう植物がこのエリオカウロンです。川底は砂とドロで柔らか く生育に適した土壌なのです。しかしこの種類の植物は有茎類といわれる地下 茎から地上部が出ているのです。 広い川幅の流れ早い部分にはクリスタルの水が万華鏡のようにキラキラ光って います。


  赤いオテリアなのか、それともエキノなのか?真っ白な花、とても良く似合う。




赤いオテリアを抜いてみました。赤いというより錆び色。

万華鏡の如き水中に、色とりどりの水草が生えているのが良く分かります。真 っ赤な大きな葉が大量に群落をつくって流れにそよいでいるのはまだ記載され ていないかもしれないニュータイプのオテリアのように思う。流れの遅い部分 には、野原にはえているようなカヤツリグサそっくりの雑草の塊があったりし て「これが本当に水草なのだろうか」と思う。実際清流の水が引かない部分に 生えているのだから、水草に違いないのだ。実際に手で取ってみても野原に生 えている草と同じ感触で、まったく水草とは思えない。しかしやはり水草なの だろう。何かよう分からん説明になりました。この川に初めてきたのが、もう 10年も前だったと思うが、その後の10年でやはりかなり川の様子も変わってき ている。第一にクリスタルの水はもっとキラキラ輝いていたような記憶がある。 なんというか以前より少し水が濁ってきた感じがする。



川幅がせまいので、川を通過する時注意していても、橋桁がない大きな土管 を水抜きに使ってているような小さな川ばかりなので川を探すだけでかなり の注意力を必要とします。そのうえ魚も水草も直射の当たると、10分もする と魚は参ってしまう、水草は煮えて溶けてしまうで、そちらへの気配りもし っかりしておく必要がある。とくに水草は根を大切にしておかなければなり ません。この辺りのたいていの水草が前述のごとく有茎類なのです。 右の写真は珍しく赤いはをもつシベルス。直射日光が良く当たって,生育条 件が最適であると、ある種の植物はクロロフィルをつくるのをやめて、べつ の赤色色素をつくって炭酸同化作用と同じようなエネルギー代謝化学作用を 行なって、いきていくようです。


クリスタルの流れに真っ赤な草を発見する。




真っ赤な牧草のような雑草、カヤツリ草の水中版のようだ。

しかしこれら赤色植物の場合、少しでも環境の変化を感じると、直ちに葉緑 素を作って緑色に変化してしまうのは何故だろうか。この赤いシベルスも水 槽に植えると直ちに緑色に変化するのだろうと思う。左の写真は川底から抜 き取ったシベルスと呼ばれるらしいカヤツリグサのような草の一塊です。こ の川には4種類ほど生えていて、緑タイプと赤タイプがあって細い針のよう な葉のものと、写真のような普通の雑草タイプが2種類づつあるようだ。考 えてみれば人間世界にも紫蘇とか紫キャベツっとか赤い色素を持った野菜類 はあるように思う。



川底に何やら緑色の草の塊が見えた。それが右の写真で、真性シペルスと思 われる草なのですが、元来この草が記載されているのは東南アジアのはずな のだが、どういうものなのだろうか。陸上に普通に生える草は川の底には生 育できないはず、ということはこいつはやはり水草といって差し支えないの だろう。今後もブラジルの各地にでかければ発見できそうな草なので、楽し みが増えそうな今後となりました。本ホームページでまた掲載したいと思っ ています。


緑のカヤツリ草、これがシベルスという水草なのだそうだ。



エリオカウロンの別タイプ,スタープランツが湿地帯にひっそりと生きていました。

写真はミナス州の別河川で観察したスタープランツである。こちらの方はサイズが小 さく、生育条件が最適でも7cm程のサイズかもしれない。下の写真にも有るとおり 小さなサイズでも充分花をもって繁殖活動に入っている.上にの写真のエリオカウロ ンとはちがっている。こちらの方が陸生植物にちかい形態であった。 ここまで書いたところで、日本のショップさんから連絡がはいりました。上の欄に掲 載した赤いオテリアと筆者が考えていた植物が、じつはどうもエキノドルスかもしれ ない、という内容でした。もう一人のマニアの方からはブラジル中央高原には199 0年の書物に真っ赤なエキノドルスが掲載されていて、以来この種がマニアの方々の 垂涎のまとになっていた、という情報でした。


直ちに、この写真を先週送付したマニアさんに問い合わせのメールをいれた ところ「私もこのオテリアといわれる赤い植物がエキノではないかと疑問を もっていた、花と葉脈の形態からエキノであると考えている 発送頂いた2 種(赤と緑)のエキノは大当たりだと思う」という御返事を頂いています。 考えてみるとこの赤い水草は10年前から何度か持ち帰っているのですが、 植物体の弱さからか、温度変化によって全てここサンパウロで溶けて消えて いたのです。今回幸運にも茎が溶けないで出荷できたのは、おりからのサン パウロの寒さが良かったのかもしれません。この種が赤いエキノであれば、 と思って筆者は少し興奮しているところです。


小さな植物でも可憐な花をつけて一生懸命生きていました。



今回の最終目的,コリドラス・ガラニ―です。このようなクリスタル川に静かにいきています。

今回のもう一つの目的であったコリドラスのガラニ―です。約10年前にこの地を訪 れたおりに,発見した魚で,当時は普通の点点コリドラスと思っていたのですがマニ アの方からの御指摘で、全ての個体の模様が違っていて、人間の指紋と同じように、 同一のものが存在しないそうです。そういう観点から非常におもしろいコリドラスで はないか、と考えています。当時はタパジョス川水系で観察されるガラナと命名され た別種と混同されていたふしもありますが、生息場所が1000km以上も離れている ことや、形態が明らかに違っているという理由で、認識されているようです。 その当時クイアバ在住でタパジョ川からガラナを採集して送っていたダマセ―ナとい う採集人も数年前に心臓病で他界してしまって,ガラナという魚が思いでの魚になって しまいました。 2004年7月30日記述完了。

  

  


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